フユスル

どこかで浮遊しています。

母とのこと。

うちの母。
すぐパニックになる人。
本人曰く、やる事はたくさんあるのに時間がないので焦るのだという。

最近の口癖は「むかつくむかつくむかつくむかつく」。
むかつくむかつくむかつくむかつく、と言いながらご飯を作る。
何か手伝うことがあるか聞くと「手伝ってもらう事を考える余裕もない」と怒鳴る。
何も言わずに片付けをしようとすると「後でやるから何もしないでいい」と怒鳴る。
後から、どうして怒っていたのか尋ねると、手伝ってくれなかったから、と言う。

自分は言葉で言われないことを、その場の雰囲気を読みながら行動する、
というのがものすごく苦手なので、母だけでなく、誰かをむかつかせてる事は
多いんだろうと思う。その事を考えると申し訳ない気持ちになる。


でも、物心ついてからずっと、僕にとっては理解不能な母のパニックに
付き合わされ、「むかつく」というたびに、母の溜息や大きめの足音が聞こえるたびに
原因を探って、問い詰めて、ご機嫌とって、「機嫌とりするな」と怒られてるのは、
「自分が出来ない奴から」だけが原因ではないと、やっぱり思う。思いたい。

と、そんな話を友好的にしようと思っても、母に伝えると
「私が全て悪いんでしょ」と返ってくるので、話にならない。

「そうはいくか」と思う。母のペースに乗ってたまるか。
マインドコントロールされてたまるか。「むかつく」なんて知ったこっちゃない。
妹が飲んだあとのコップが朝からずっとテーブルの上に置きっぱなしなので、
僕のせいではない。絶対に。

だけど「全部自分が悪いんだ」と思ってしまう。母と似たようなものだと思う。
どこに行っても、怒られている気がする。
大声も笑い声も溜息も足音も、椅子を引く音も、皿を洗う音も、
全部自分を怒っている、と思う。治せるもんなら治したい。

大人になってまで実家にいるのは、やっぱり母とは仲が良くて、
家族のことが好きだから。ここが居心地のいい場所だから。

赤ちゃんの頃から抱きしめて眠っている、もうボロボロの雑巾のようなタオルを
まだ抱いて寝ているような気持ち。もうすっかり体は大きくなってしまったのに、
まだタオルが自分をまるごと優しく包み込んでくれると信じ込んでいる。
だからまだ捨てられないでいる。